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第54話 M

Author: 文月 澪
last update publish date: 2026-01-13 16:00:31

 ひとしきり笑って、私は瀬戸先輩に向き直る。

「ごめんなさい、嬉しい……って言うと、変な感じですが……私達のこと、ちゃんと考えてくれてるんですね。確かに、そういうのって男女差は大きいでしょうし、私は少しでも瀬戸先輩のこと、知りたいって思います。その……『そういうこと』も含めて」

 照れくさくて視線を伏せながら言うと、瀬戸先輩はぱぁと表情を輝かせた。

「凜ちゃん……! ありがとう、俺、嫌われないように頑張るから!」

 そう言いながら、私の手を握り絞める。それが本当に嬉しそうで、思わず私も笑みが零れた。

 その隣では、日下先輩が必死に由香里ちゃんを口説こうと奮戦している。

「由香里ちゃんも、新堂さんと同じように思ってくれたのかな? そうだと嬉しいんだけど。俺、ちゃんと大事にする。浮気もしないし、好物件だと思うんだけどどうかな!?」

 それに対し、由香里ちゃんは鼻で笑う。

「はっ、私と凜くんじゃ前提条件が違うでしょうが。どっこも重なってないのに、瀬戸先輩と同じ土俵に上がろうな

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